HOME 魚探ラボ フルノ魚探「FCV-800」を使いこなしてアジを釣る!
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2024年5月、FURUNOフィールドテスター 小野信昭氏が所有する新艇「友恵丸III」に魚群探知機FCV-800が装備されたとのことでいそいそと訪問した。この魚群探知機は2023年に販売開始したばかりの最新機種で、小野氏は使い勝手の良さや新しく搭載された機能をひとつひとつ確認しながらフィッシングに活用している段階だった。今回はアジ釣りを通して、小野氏流の機能活用法を解説していただいた。
春の陽気を感じる5月中旬、フィッシング日和の気持ちの良い天気の中、友恵丸IIIに乗り込みポイントへ向かう。30分ほどでポイントへ到着。早速魚探を見ながら周辺を探索する。魚を探すときは、リアルタイムに反応が分かるAスコープを活用して、魚群を見逃さないようにしているのだそう。5分ほど探知していると海底付近に密度の濃い魚群反応を発見した。「この反応はアジだね!バッチリ!」と嬉しそうに声を弾ませる小野氏。急いでサビキの準備に取り掛かる。
トローリングモーターを稼動させ、魚群反応の真上に船をキープし、仕掛けを海中へと降ろしていく。FCV-800はCHIRP方式が利用できることから、非常に高精細な映像を映し出す。その一例としてFCV-800の画面には仕掛けや仕掛けから溢れるエサがしっかりと映っており、魚群にうまくアプローチできていることがわかる。
またFCV-800はCHIRP方式と従来のCW(50/200 kHz)の方式も同時に使えるという特徴がある。そのため、CW方式でしか使えなかったACCU-FISHTM機能による魚体長表示や海底が泥なのか岩なのか砂なのか等を判別する底質判別機能を高精細なCHIRP映像に重畳できるようになった。「どちらの機能も使いたかったので嬉しい」と小野氏もFCV-800に満足している様子。
フィッシングに話を戻すと魚探映像には18~20cmあたりの魚体長が表示されている。「かかった!」と小野氏。「1尾かかるともうひとつの余った方のハリが暴れます。するとそれがアピールとなって2尾目がかかりやすくなります」
「アジは口が弱い魚だから、無理に巻き上げるとバレてしまいます。かと言って時間をかけすぎるとハリ穴が大きくなってそれもまたバレてしまう。そこが難しくもあり、面白いところかな」とリールを巻きながら解説する小野氏に感心していると銀色に光る魚影が海面に上がってきた。
狙い通り18cmのアジが釣れ、「ACCU-FISHの表示通りだね」と少し安心した様子の小野氏。まだまだ魚探にはアジの魚影が映っており、このチャンスを逃すまいと何度も仕掛けを海に降ろしていく。その後も継続してアジが釣れ、あっと言う間に生簀は良型のアジで満たされていく。
ここでFCV-800に追加された『エコー色拡張機能』を紹介したい。この機能はカラーバーのレンジを広げることでターゲットのわずかな反応の違いを異なるカラーで表現してくれるため、海底と底付きのターゲットを明確に識別して捉えることができる。今回のフィッシングでも多いにその威力を発揮してくれた。機能のON/OFFを切り替えるとその効果は一目瞭然である。
「アジのように海底付近にいる魚を狙うときにはとても有効ですね。タナもわかるし根掛かりも減らせれるし、釣果にも結びつく」と小野氏には高評価だった。
他にもFCV-800はTZ iBoat/NavNet Viewerというアプリを介して魚探映像をスマホやタブレットにミラーリングする機能があり、例えばボートの前の方など魚探から離れたところで釣りをしている人でも手元で魚探映像を確認することができる。このように魚群探知機から得られる情報を活用して釣果を高めるという釣りの楽しみを多くの方に感じていただきたい。
Text: / Photo: フルノスタイル編集チーム