HOME 魚探ラボ Team FURUNO始動!秋の青モノを狙う!!
魚探ラボ
まだまだ夏の強い日差しが残る9月中旬。
朝5時。TeamFURUNOは西宮マリーナを出港し、およそ1時間半をかけて友ケ島周辺に到着した。今日は青モノを狙うつもりだ。
友ケ島は、大阪湾から紀伊水道、さらには太平洋へ抜けるルートで、淡路島と紀伊半島が接近したところの間に塞ぐようにある地島や沖ノ島を含んだ群島のことであり、間口が狭いことから、干満時には、よく強い流れが発生する。地形の起伏もあることから、潮があたってプランクトンを巻き上げる構造が出来上がっているためか、地元では様々な魚種が集まる有名なポイント。潮の流れが強く、浅瀬もあることから、魚探での水深確認や操船技術が伴う、中上級向けのポイントと言えるだろう。
友ヶ島に到着。流れの穏やかな場所で、ワクワク感を抑えながら急いで準備を整え、魚探を見ながら海底の起伏と魚群反応をチェックして回る。隆起した岩礁が点在するポイントに魚群反応が密集する小さな瀬を発見したので、ACCU-FISH機能(魚体長計測表示機能)をONにした。しかし、この魚影反応に魚体長数値が表示されない。ACCU-FISH機能は10cm以下の魚を数値表示しないので、「これは青モノの餌となる小魚である!!」と推測し、 ”喰わせサビキ(のませサビキ)” をセット。まずはベイトゲットを試みた。
実はこのポイントのすぐ近くに、ボトムあたりで青モノらしき反応(ブーメラン反応)がいくつか現れている場所を発見していた。ここに釣ったばかりのベイトを掛けたまま泳がせる”喰わせサビキ” を行う思惑で、まずはベイトとなる魚が何かをチェック!!
ここではマメアジが鈴なりで上がった。そのマメアジを掛けたまま大物らしき反応が現れたポイントへ移動する。
好ポイントというのは風や潮流が強いものである。この状況で艇を安定させながらフィッシングを楽しむのは難しく、ここでオートパイロットの機能である”SABIKI(サビキ)モード”を活用する。SABIKIモードは、風や潮流が強いエリアにはうってつけであり、まさにこのような場所には強力な効果を発揮する。SABIKIモードは、ステアリング操作なしに、スロットル操作(後進)だけで艇(船首)を風下に向けて安定させるもので、スパンカーなしに”潮立て”が簡単に行える。船外機(船尾)を風上に向け、艇が風や潮の流れにより回転し始めても、絶えず船尾の向きを風上に向けるように自動でステアリング操作を行ってくれる。風や潮流の影響を受ける状況下で、操船しながらフィッシングを行うというのはまさに至難の業。船外機専用の機能ではあるが、ステアリング操作を自動で行ってくれる” SABIKIモード” は、操船者も一緒にフィッシングを楽しめる非常にありがたい機能だ。
マメアジによる喰わせサビキを何度か繰り返していると、サビキに掛かっているマメアジの動きが急に激しくなった。何かから逃げ惑う様子がロットを伝って強い振動で感じられる。その瞬間、それとは明らかに違う激しい引きがあり、太陽光を反射させて水中を走り回る青モノの影が見えた。そして、海面に強い水しぶきとともに綺麗な金色と淡いブルーの身体を震わせて上がってきたのは50cm強のハマチだった。
本日の釣果はハマチ1尾、ツバス1尾、そして太刀魚など残念ながら大漁というわけにはいかなかったが、海況や海中の状況を判断し、「自ら戦略的に計画したフィッシングで釣果を上げるという醍醐味」 はまさに刺激的であり、ボートフィッシングだから味わえる面白さと言えるだろう。
Text/Photo:フルノスタイル編集チーム