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魚種ごとの反応

カサゴを追う vol.2

この魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

カサゴを追う vol.2 GPS魚探映像 この画像のように海底ラインが険しい凸凹なら岩礁地帯と判別しやすいが、フラットな海底でも岩礁地帯を判別できるのが底質判別機能です

ボートは0.5ノット程度でゆっくり進めながら撮影したもので、魚探から発信する超音波の周波数は200キロヘルツで海中を探知した反応画像となっています。

この画像からは以下のような情報が得られます

  • 水深25.9メートル
  • 海底は全体的にカケ上がりの地形
  • 凸凹が険しい岩礁地帯
  • ところどころに魚群反応が映っている

この釣り場で釣れた魚はカサゴです。

カサゴは種類が多く、浅場に棲むものもあれば、深場に棲むものもありますが、ここでは浅場に棲むカサゴについて魚探の活用法を紹介しましょう。

水中画像にもあるようにカサゴは海底に這っている魚なので、魚探でカサゴそのものを探すのは困難ですが、生息場所に特徴があるのでポイント探しはそれほど難しいものではありません。

カサゴが好んで捕食するのはカニやエビなどの甲殻類や小魚で、それらが豊富に生息する岩礁やゴロタ石などのストラクチャー周りがカサゴの好ポイントとなります。

凸凹が険しい岩礁地帯であれば魚探に映し出された海底ラインの形状から底質を推測できます。また、FCV-627やFCV-587のように底質判別機能があれば凸凹が険しくない平根(フラットな岩礁)のポイントでも「RCKS」表示により見落としが少なくなるでしょう。

前述したようにカサゴは海底に這っている魚なので、仕掛けを海底まで落とし込む必要があり、岩礁やゴロタ石のポイントではどうしても根掛かりが発生しやすくなります。特にボートが流れると必然的に根掛かりが頻発します。

少しでも根掛かりの発生を低減するには、仕掛けを下ろしたピンポイントの水中情報把握が必須で、魚探から発信する超音波の周波数は指向角が狭くなる200kHzで、さらに下ろした仕掛けが発信された超音波の指向角の範囲内に入るように送受波器が取り付けられている近くから釣り糸を垂らすことをオススメします。むろん、潮流により仕掛けが斜めに入るような時にはそれを考慮する必要があります。

いずれにしても、カサゴ狙いでは根掛かり防止のためにも小まめな底ダチの取り直しが必要で、この繰り返しがカサゴ釣りの誘いにも繋がります。

  • カサゴを追う vol.2 釣果写真 カサゴは刺身、塩焼き、煮付けなどで美味しく召し上がれる高級魚ですが、移動が少なく、成長が遅い魚なので、釣り過ぎには注意しましょう。
  • カサゴを追う vol.2 水中画像 カサゴは、日中は特にじっとしていることが多い魚です。岩礁と区別がつきにくい容姿はエサを捕食するのに有効なものとなるはずです。

根際の砂地でジッとしているカサゴの映像です。カサゴには多くの種類がありますが、この映像のカサゴが最も浅い沿岸部に棲息する身近なもので、標準和名カサゴという魚種になります。カサゴ類は水深の違いにより他の種類のものが釣れ上がることが多く、魚種によって棲息する水深が異なることを実感できます。
カサゴ類の食性は甲殻類や多毛類、さらには小魚を捕食するので、それらが集まりやすい岩礁(根)地帯やその周辺の砂泥地が主な棲息場所となります。映像にあるようにカサゴは普段、海底に這った状態にあることが多く、魚群探知機でカサゴそのものを見つけるのは困難なので、ポイントは棲息していそうな水深、海底底質、海底地形から探す必要があります。この映像では点在する根と根の間の砂地にジッとしていますが、根のてっぺん(頂上)付近に居ることも多く、根の凸凹を丹念にトレースしながら探っていく必要があります。その際は根掛かりにも注意が必要で、ヒット後には根の隙間に潜られないように速やかに根から引き離す必要があります。

著者紹介

友恵丸・友恵丸III 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター

北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。