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魚種ごとの反応

メバル(春告魚)を追う vol.2

この魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?

メバル(春告魚)を追う vol.2 GPS魚探映像 アカ・シロ・クロの3種のメバルは水深が浅い場所を好んで生息する。

ボートは約2ノット(人間が歩くほど)のスピードで進めながら撮影したもので、画面左側が周波数の50キロヘルツ、右が200キロヘルツで海中を探知した反応画像となっています。

この画像からは以下のような情報が得られます

  • 水深15.4メートル
  • 海底ラインが凸凹していて、その高低差は1メートル程度
  • 海底から約2メートルの範囲までに魚の反応が映っている
  • 魚の体長が赤字で「22」とか「21」と表示されている

実はこの釣り場で釣れた魚はメバルです。(正式には浅場に棲むメバルは2008年にアカメバル、クロメバル、シロメバルの3種に分類されました。)

水中画像にもありますようにメバルは岩礁帯周りの海藻が生えているような場所を好んで生息しています。泳層は主に海底付近で、エサを追って浮上してもせいぜい海底から2メートルの範囲までです。

非常に視力の良い魚で、魚探に反応が映っていても海中の潮が澄み、透明度が高いような時には、アングラーが垂らす仕掛けを警戒してエサに食い付こうとしません。逆に潮が濁っているような状況では警戒心が和らぐのか?活発にエサを追うことが良くあります。 「春告魚」ともいわれるメバルは丁度今がベストシーズンです。

  • メバル(春告魚)を追う vol.2 釣果写真 メバルは泳ぎ回る魚ではなくジッとしている魚なので比較的、魚探に映りやすい。
  • メバル(春告魚)を追う vol.2 水中画像 良型メバルは刺身や煮付、塩焼きに。小型は唐揚げにするといい。

ブロック漁礁付近に群れるメバルの映像です。どのメバルも同じ方に向いていますが、映像に写っている浮遊物の動きから潮が画面の右から左へゆっくり流れていることが確認でき、メバルは潮上に向いていることがわかります。
メバルは夜行性で主に暗い時間帯に積極的に摂餌行動します。日中においても激しい濁りで水中が暗い時には摂餌行動しますが、この映像の様に透明度が高い時にはあまり摂餌行動せずジッとしている傾向にあります。このように海底から浮いてジッとしている状況なら魚群探知機でも捉えやすいのですが、活性が低いので釣るのに苦労します。
水深30メートル以浅に棲息するメバルには標準和名のシロメバル、アカメバル、クロメバルの3種があり体色の特徴で付けられた名称ですが、正しく分類するには胸ビレ軟条数を数える必要があり、この映像だけでは正確に分類できないので”メバル”という総称で紹介しています。

著者紹介

友恵丸・友恵丸III 船長 小野 信昭 さん

FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター

北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。