HOME 魚種ごとの反応 メバル(春告魚)を追う vol.3
魚種ごとの反応
GPS魚探画像からどんなことが解り、どんなことが推測できますか?
メバルのポイント探しには、アキュフィッシュ機能による魚体長表示が有効だ
ボートは0.3ノット程度でゆっくり流しながら撮影(画面キャプチャー)したもので、周波数200キロヘルツで海中を探知した反応画像です。
この釣り場ではサビキ仕掛けでメバル*が釣れました。
水中画像にも写っているように、メバルは岩礁帯や海藻が生えた場所、あるいはストラクチャー(障害物)周りを好んで棲息しています。泳層は海底からせいぜい5メートル上までで、釣り場の水深は40メートル以浅となります。
小さな甲殻類や小魚が集まる場所にそれらを捕食するために多数のメバルが集まりますが、群れの密集度は高くないため、最近のデジタル魚探ではメバルを単体魚として捉えられるようになりました。
魚探画面には、起伏の途中に「12」「15」「23」等(単位はセンチメートル)の数値で表示されているものがアキュフィッシュ機能により表現された単体魚の体長で、その魚の正体はメバルです。
メバルは回遊魚ではないのでたとえボートが流れてポイントを外れても、魚探を観ながら再びポイント上にボートを乗せることで追釣が可能でした。
以上のようにメバルが棲息するポイントは比較的容易に探すことができますが、条件次第でまったく釣れなくなってしまうのがメバル釣りの難しいところです。特に潮が澄み、水中の透明度が高い場合に、食い渋りとなるケースが多いので、細めのイトを使用したり、メバルが仕掛けを見切ってしまわないように仕掛けの入れ直しが必要になります。
(* これまで浅場に生息するメバルは1種類のみとして考えられてきましたが、2008年に3種の独立した種類であることが明確となり、アカメバル、クロメバル、シロメバルに分類されました。ここでは3種をまとめてメバルと呼ばせて頂きました。)
ブロック漁礁付近に群れるメバルの映像です。どのメバルも同じ方に向いていますが、映像に写っている浮遊物の動きから潮が画面の右から左へゆっくり流れていることが確認でき、メバルは潮上に向いていることがわかります。
メバルは夜行性で主に暗い時間帯に積極的に摂餌行動します。日中においても激しい濁りで水中が暗い時には摂餌行動しますが、この映像の様に透明度が高い時にはあまり摂餌行動せずジッとしている傾向にあります。このように海底から浮いてジッとしている状況なら魚群探知機でも捉えやすいのですが、活性が低いので釣るのに苦労します。
水深30メートル以浅に棲息するメバルには標準和名のシロメバル、アカメバル、クロメバルの3種があり体色の特徴で付けられた名称ですが、正しく分類するには胸ビレ軟条数を数える必要があり、この映像だけでは正確に分類できないので”メバル”という総称で紹介しています。
FURUNOフィールドテスター / DAIWAフィールドテスター / 月刊ボート倶楽部ライター
北は北海道から南は沖縄まで全国を飛び回りボートフィッシングを楽しむアングラー。スキューバーダイビングも経験豊富で、水中を知った上で行なう魚探の解説には定評があり、各地で行なうボートフィッシング講習も人気が高い。また、ボートフィッシングにおける安全面やルール、マナーの啓発にも力を入れており、自身が開設するウェブサイトやボート関連雑誌で古くから呼びかけている。著書「必釣の極意」、共著「魚探大研究」。