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子どもと一緒にボートフィッシング

子どものためのボート遊び

すべてが子ども基準

子どもが1歳にもならない子育ての真っ最中に、ストレスもあって、どうしても以前のように海釣りをしたくなった私と夫(おもに私)は、マイボートフィッシングを始める決意をしました。

では、どんなボートにしようか?

それは今後のボートライフを左右するもっとも重要なポイントです。理想は、安全性・快適性からいっても、ある程度大型の、冷暖房を完備したキャビンクルーザーがいいのですが、家計を考えたら無理。しかもいつでも室内にいられる環境では、せっかく子どもが海を感じ、自然を体感できる機会が減ってしまいそう。じゃあせめて夏の日差しや風雨を防げるハードトップが欲しいと思っても、やっぱり予算外です。

実は結婚前、私1人のときにもボートが欲しくて探したことがあったのですが、基準は“扱いやすく、釣りがしやすいこと”。漁船や和船をイメージしていました。でも子連れとなると、基準はまず“子どもが安全で快適なこと”。イメージするフネも180度くらい違っています。

こうしてあれこれ考えながら雑誌の広告やパソコンで調べたところ、ネットオークションで見つけたのが、マーキュリー2ストローク50馬力船外機付きの、ベイライナー・カプリ1600でした。

自動排水でない代わりに、フロアが水面より低く、船べりが高いベイライナー・カプリ1600。子どもが釣りをするときも安心です

フネの真ん中を移動できるのも、カーペット敷きのフロアも、やっと立って歩くくらいの子どもには安心感があります

環境選びも重要

カプリ1600は、もともと生産国のアメリカで、おもに湖など平水域で使われるトレーラブルボートで、自動排水ではないし、もちろんイケスもなし。波にも強いともいえません。でも当面は本格的な釣りよりも、フネに慣れることを優先にしようと思っていましたし、赤ん坊を乗せて波や風がある日に出航するつもりがなかった我が家にとって、それらはあまり問題ではありませんでした。

むしろ価格も手ごろで、国産艇のこのクラスにはない居住性の高さは魅力。そして小さな子どもには命にかかわる激しい夏の日差しを避けるため、オーニングだけはつけることにしました。ただしそのために、魚探や、ボロボロのボートカバーの買い替えさえも見送られました。

また、小さい子供とボート遊びをしたいと思ったら、管理体制や救助体制が整っていて、子どもが安全に乗り降りできる桟橋があるなど、ボートを置く環境選びも重要になってきます。このフネを置くことになった神奈川県の葉山港は、そういう意味でしっかりしていました。

さらに港を出てすぐの海で釣りが楽しめて、天気が良い日には富士山も見えます。いつか息子が大人になって思い出す海は、こんなところがいいな――安全面はもちろんですが、そんな思いが、結局保管場所選びの決定打になったと思います。

なにはさて置いても装備したオーニング。
またソファタイプの後部座席は子どもを寝かせたり、おむつを替えたりするのにも便利

港の朝市で朝食や昼食を買いこんで出航するのも楽しみのひとつでした。フネの保管場所選びも、ボート遊びの魅力を大きく左右します

著者紹介

伊藤佳子 さん

フリーランスライターを務める兼業主婦

ボート&ボートフィッシング雑誌「Boat Club」のもと編集者。現在は子育てのために独立し、フリーランスのライターを務める兼業主婦。全長16フィートのプレジャーボートをマリーナに置いて家族そろってボート遊びと釣りを楽しむほか、2馬力専用インフレータブルボートでの釣行も楽しんでいる。