HOME 魚探ラボ 送受波器はスルーハル装備がおすすめです! インナーハル方式、スルーハル方式。その違いは?
魚探ラボ
送受波器(魚探センサー)の一般的な設置方法は、インナーハル方式、スルーハル方式、トランサム方式、そして舷側に設置する方法、4つのパターンがあります。
中でも、インナーハル装備は船底に穴をあけずに装備できる手軽さから、多くのプレジャーボートがこの方法を採用しています。ですが、この取り付け方は、センサーと海水の間に船底(FRP等)が挟まるため、超音波の減衰が生じ、持ち合わせたパワーを生かし切れず探知能力が落ちてしまいます。
ご参考: 魚探の仕組み > 送受波器の設置場所
以下はスルーハル装備(船底に穴をあけ、直接センサー面を出す装備)とインナーハル装備の映像を比較した実映像です。特に、深場になればなるほどその効果は大きく、その違いは歴然です。
約13mの浅瀬。左画面のスルーハル装備では海底付近の魚群反応をしっかりと捉えているのに対し、右側画面(インナーハル装備)では反応を捉えきれていない。
この映像でも感度の違いがはっきりと出ており、左画面(スルーハル装備)の方がしっかりと単体魚反応を捉え、魚体長を計測している。
海底判別機能を使って、須磨海水浴場付近(砂地)を探索した時の映像。
左画面(スルーハル装備)では海底のグラフィックがしっかりと砂地を表しており、ところどころに点在する岩場を映し出している。右側(インナーハル装備)では、海底判別は正確な表示ができていない。
こう見ると、インナーハル装備で釣行されている方々は、今までたくさんの“大物”を逃してきたのではないでしょうか?より正確な情報をキャッチし、釣果をあげるためには送受波器のスルーハル装備がおすすめです。
しかし、いくらスルーハル装備が良いとは言っても、センサー取り付けのために船に大掛かりな作業を行うのは抵抗がありますよね?そんな方に朗報です!
2013年3月、魚探センサーの着脱が簡単に行える「スカッパースルーハルキット」がリガーマリンエンジニアリングから発売されました!
これはイケスの排水孔(スカッパー)の構造を利用したアタッチメントです。
送受波器にこの専用アダプタ「スカッパースルーハルキット」を取り付け、船底のスカッパーに装着すれば完成です。
この「スカッパースルーハルキット」は、ヤンマー艇のスカッパーサイズに合わせて作られていますが、イケスに同様のホールサイズの穴を開ければ、どの艇でも簡単に取り付けすることができます。
センサーの取り外しが自在のため、メンテナンスが容易になり非常に便利です!
フルノの魚探、またGPSプロッタ魚探には、単体魚のサイズを計測する機能や、海底や湖底の底質をグラフ化する底質判別機能を搭載しています。この機能はターゲットエリアの選定や魚種判別にも一翼を担う画期的な機能ですが、残念ながら、送受波器(振動子)がインナーハル装備では正確な計測をすることができません。
これらの機能を有効に活用していただくため、送受波器(振動子)の取付けは、送受波器が完全に海(水)中に接したスルーハル方式がおすすめです!
そしてこのスルーハル装備を行う際は、上記の「スカッパースルーハルキット」を使用すると便利です。