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魚探の仕組み

送受波器の設置場所

送受波器は、振動子面(下方面)が海底に対し垂直に向くよう船底部分に設置します。設置方法は4種類あります。

送受波器を、
  • 船底外部に設置する方法(スルーハル方式)
  • 船底内部に設置する方法(インナーハル方式)
  • 船尾外部に設置する方法(トランサム方式)
  • 舷側に設置する方法

です。

これらの設置方法は、それぞれに特徴がありますが、この中で理想的な設置方法は(1)の船底外部に設置する方法です。船底に穴をあけ、外部に送受波器を固定する方法です。

送受波器が完全に海(水)中に接しますので、効率よく超音波を発射したり海中からの反射波をとらえたりできます。ただし、船底に穴があきますので、プレジャーボートではこの方法を避けるオーナーさんが多いようです。

もっとも多く採用されているのは、(2)の船底内部に設置する方法です。船底内部に送受波器を取り付けます。

船底板に送受波器面にシリコンゴムなどで貼り付け設置します。この時、泡の影響がなく、スクリューによる乱流の影響を受けない場所を選ぶことが重要です。
(注:ただし、この装備は浮沈構造や二重底の船には適していません。またこの方法は超音波が船底板を通過する時に減衰(20%~50%)しますので、海底・魚群などの探知能力が下がります。ACCU-FISH機能を利用の場合は船底外部・船尾外部への取付をお勧めします。)

底質判別機能はスルーハル方式もしくはトランサム方式が必須となります。
送受波器を入れた専用ケースを船底に設置し内部に不凍水溶液を入れて海中と同じ環境を作り上げるインナーハル方式も有効です。

このほか、(3)の船尾のトランサム部に直接、送受波器を設置する方法や、(4)のように、釣り場に到着したあと、舷側部に長いパイプを使って送受波器を海中へ向けるという方法があります。

FRP船で(2)の船底内部に設置するインナーハル方式では、底板を通して超音波を発射したり受信するため、超音波のパワーが減衰(20%~50%)するとともに、海中からの反射波も一段と低下するため受信感度はある程度落ちます。ただし、瀬戸内海程度の浅い水深であれば問題なく利用できるかもしれません。

著者紹介

マリンギアライター 須磨 はじめ さん

神戸市須磨区在住

「ボートフィッシング」では、「すぐに役立つ電子機器解説」の連載を持つ。
著書:「電波航法機器」「電波機器と超音波機器」「魚探・GPS100%使いこなしブック」他